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2020.07.29

幼少期の憧れ! R30スカイライン・スーパーシルエット! サイドマフラーから炎を上げて爆走していたデビュー戦仕様を再現

日産スカイライン・スーパーシルエット ◉アオシマ1/24 ◉作例制作:吉田 優

1970年代後半、欧州で隆盛を極めたシルエットフォーミュラ。FIAの規定でグループ5に属するこれらは、その名の通りシルエットこそ市販車の形を残していれば後はほぼやり放題という過激なものであった。

その人気は日本にも飛び火し、’79年から富士スーパーシルエット・シリーズがスタートする。ここでは、そんなスーパーシルエットの中からスカイライン・スーパーシルエットを模型の作例でふりかえってみる。
 
スカイラインのレーシングカーと言われて私の頭に真っ先に浮かんでくるのは、通算50勝を上げたハコスカでもなく、Gr.Aで無敵を誇ったR32でもなく、このR30スーパーシルエットである。もちろん、ハコスカやR32GT-R、はたまたR30やR31のツーリングカーだってどれも大好きなのだが、どうも直感的にイメージするのは、このR30スーパーシルエットなのだ。
 
思い返してみると、スカイライン・スーパーシルエットがサーキットを走っていた当時、我が家のリビングの壁に、この車が炎を吹いて爆走する写真のパネル時計が掛けられていた。あまりに印象が強いのは、その時計を毎日見ていたせいなのかもしれない。

そのパネル時計はおそらく当時ディーラーでもらった物だと思うが、仰々しいエアロパーツを纏い、サイドマフラーから炎を上げて爆走するR30スーパーシルエットの姿は幼心に相当なインパクトであり、時計を見て時間を知るという本来の行為の前に、そのスカイラインのインパクトが強すぎて時計としては時間が読みにくく、時計としての役割をさほど成していないような代物で、気づいたら、いつの間にか普通の時計に代えられていたと記憶している。

前期顔、後期顔、BBS、SSRホイールなどの違いも


 
さて、今回の制作にあたり、スカイライン・スーパーシルエットをどのような仕様で仕上げようかと考え始めたのだが、レーシングカーの場合、レースごとに仕様が異なったり、同じレースでも予選と本選で細部が異なっていたりと、何かと悩むことが多いのだ。

スカイライン・スーパーシルエットにおいてもそれは同じで、前期顔や後期顔、BBSホイールやSSRホイール等々、細かい仕様の違いが見て取れる。正直どれもカッコよく甲乙付けがたいが、今回は、あのパネル時計のイメージで制作することにした。細かくは覚えていないが、前期顔だったことは間違いなく、ドアミラーは黒で四角いタイプだった気がする。その2つの記憶を頼りに調べてみると、どうやらデビュー戦の仕様が一番近い気がするので、その仕様を制作することにした。
 
使用したキットはアオシマのスカイライン・スーパーシルエットで、デカールがアップデートされて近年再販されたものだ。スカイライン・スーパーシルエットのキットは、実車現役当時にアオシマとナガノから発売されているが、現在入手可能なのはアオシマのみである。


フロントカウル上面ダクトのフィンやグリル下のスリットなど、デビュー戦での状態を再現。参戦に先立つ’82年5月にはほぼ同様の姿で記者発表会が行なわれている。ルーフアンテナは第2戦から装着されるようになったようだ。フロント左右にはプラ板で風切り板を追加した。

キット自体は30年以上前の設計なのでさすがに古さを感じるものの、最小限のパーツ構成で最大限の再現度を目指したことが感じられる内容で、モーターライズ前提のキットであるにもかかわらず、再現度は現代でも充分通用するレベルだ。ちなみに、前述の「古さを感じる」というのは悪い意味ではなく、私なんかの世代(昭和世代)にとっては、逆に良かったりする。

今となっては無用となったモーター台座や、走行時ステア角をキープするためのタイロッドのギザギザ、はたまた、前タイヤ取付け用金属リベットなどは、箱を開けた時に何とも言えない懐かしい情緒を演出してくれる。
 
話はそれたが、今回はデビュー戦仕様にすべく、地味に手を加えて仕上げた。その甲斐あってあのパネル時計のスカイライン・スーパーシルエットを再現できた―と満足している一方で、我が家にあったあのパネル時計の行方が、気になって仕方がない。 (吉田優)



modelcars vol.291「スーパーシルエット列伝」より掲載

photo:Yoshihiro-HATTORI(服部佳洋) text:Masashi-HATA(秦 正史)

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