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2020.07.30

アウディが電気自動車e-tronでEV、住宅、太陽光発電システムとの双方向充電を研究中。独Hager groupとパリ協定目標に取り組む

Hager Group

アウディは、パリ協定の目標に向けて取り組み、2050年までに会社全体をCO2ニュートラルにするとしている。

2020年前半にドイツ国内の自然エネルギー電力の割合は全体の50%以上を達成したが、風力や太陽光発電はそのときどきの気候に左右され、発電量が一定ではないというジレンマがあるとのこと。晴れた日や強風の時には、その電力を蓄電するストレージが足りなくなることもあるそうだ。

しかし、今後EVが増えていくと、それが移動式の蓄電池となり、自然からの電力を無駄なく使用できるという大きな可能性を生み出す。こうした取り組みにアウディとドイツの電気大手、Hager groupが協力し、供給の安全性や双方向充電(V2X)の研究に取り組んでいる。

アウディe-tronのバッテリーをフル充電にしておくと、平均的な一戸建て住宅に電力を1週間供給することが可能で、こうした電動モビリティは自動車産業とエネルギー産業を今後、より密接に結びつけることになる。

日産リーフでもお馴染み、蓄電池としてのEV活用



日産リーフのTVCMでもお馴染みだが、EVのバッテリーは、自宅の充電器から充電されるだけではなく、分散型の蓄電池として家に電力を供給することが可能。自宅に太陽光発電システムがある場合、EVに太陽からの自然エネルギーを蓄電することができ、太陽が沈むと、今度はEVの電力を家で使うこともできる。

こうした電力の双方向充電(Vehicle to Home)V2Hは、住宅の電気代を削減し、電力ネットワークの安定性を向上させる可能性を秘め、停電時でも電力を確保することができるようになる。

「EVのバッテリーを使用して、気候保護に貢献すると同時に電力コストを削減することは、魅力的で、この推進にあたりアウディという理想的なパートナーを見つけました」と、Hager groupのプロジェクトマネージャーは語る。
 
クルマと住宅との双方向充電は簡単そうで難しい?

こうしたV2Hは理論的には簡単そうに感じるものの、高度な技術と、インフラ、実際の車両における技術的コンポーネント間のさまざまな調整が必要とのこと。両社合同の研究プロジェクトでは、ニアシリーズという充電技術を備えたe-tronと最大12 kWで充電が可能な住宅用の充電器、9kWhの家庭用蓄電池をテストで使用。太陽光発電システムと合わせ、グリッド全体の電圧レベル調整で、インバーターを必要とすることなく効率的なソリューションを得たと発表している。

アウディの双方向充電研究では、住宅の太陽光発電システムと国内の電力を併用してコストを最適化することに焦点を当てている。EVは、太陽光発電システムからの余剰電力を貯蔵するとともに、電気料金が高い時間帯には家全体に電力を供給。夜間など電気料金の安い時間は、電力会社から電気を買いEVに充電。コストの最適化とともに、停電時における電力供給のセキュリティも提供するとしている。

また、開発者たちは、日常の使いやすさを最優先とし、こうした双方向充電の制御を顧客が自分でする必要がない状態を目指しているとのこと。高度な充電管理により、バッテリーの最適な使用とシステム全体の費用対効果を自動で計算。顧客がすることは充電プラグをEVに差し込むだけで、あとはすべてオートマチックに行われるという。
 
日産や三菱はEVの蓄電池を住宅や災害時に使うVtoHをすでに実用化しているが、アウディもVtoH実用化をCO2削減プロジェクトの一環として取り組んでいる。


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