MOBILITY

2020.08.26

‘80年代、迫力のAMGといえば560SECのワイドボディ! 6リッターエンジンと迫力のボディを1/24で再現する

AMG 560SEC 6.0-4Vワイドバージョン ◉タミヤ1/24改造 ◉作例制作:飯塚健一

1980年代後半までのAMGが創り出すクルマは、その迫力に満ちた怖そうなスタイルからちょっとネガティブな印象を持たれ続け、それが現代においてもAMGのイメージとして未だ根強く残っているのではないだろうか。心理学の「メラビアンの法則」と同じで、第一印象で視覚的に受けたイメージはいつまで経っても拭い去れないものなのだ。modelcarsの特集「メルセデス・ベンツ 最善か無か」の中で今回制作したAMG 560SEC 6.0-4Vワイドバージョンもそんな1台と言えよう。
 
しかしじっくりと成り立ちを見てみると、このクルマ最大の美点は、搭載された6リッターDOHCエンジンであると言える。当初はAMGオリジナルの6リッター V8 DOHC(コスワース製ヘッドのM117型)を搭載していたが、後にメルセデス自体がV8 DOHCエンジン(M119型:R129 500SLに搭載)を発表したため、 AMGも本家のM119にスイッチするようになっていった。
 
質感と機能性に富んだ欧州の逸品


 
そのエンジンが発する暴力的なパワーを前後の太いタイヤが受け止める。それを覆い隠すために追加されたワイドフェンダーと、高速走行を空力的にも安定させるために備えられた前後スポイラー。迫力のボディは高速でしかも安全に目的地に向かうために、全てが理に適った、レース屋ならではのモディファイが施された結果なのである。
 
内装にはウッドパネルやAMGステアリング、電動の革張りレカロシート等、質感と機能性に富んだ欧州の逸品がバランスよく高次元に収まっている。そんなチューンドクーペの魅力を、ギュッと1/24に凝縮して今回の一台を制作した。
 
タミヤのロリンザーをエポキシパテで造形


 
タミヤの名作・500SECロリンザーをベースに、エポキシパテの盛り削りで滑らかなブリスターフェンダーを作っていく。この際注目したいのが、このフェンダーが①ノーマルの部分、② 平面的なブリスター部、③アーチに沿ったフレア部、の3つに分けられる点だ。各面を切り離して考えて一段階ずつきっちりと面を出していき、ノーマルの部分や既に加工済みの部分には、削り過ぎによる傷やうねりを出さないように充分注意したい。
 
前後バンパーはプラ板や瞬間接着剤を使って造形していく。制作記の方にもどこを何mmといった詳細は記さないが、実車の写真等を見てじっくり仕上げていきたい。OZ製の17インチAMGホイールは、タミヤの500SL AMGから流用。メッキを活かしながら玩具っぽさを消すべくクリアーコートを重ねた。タイヤは80系スープラなどのキットに付属のミシュランを使用。サイズ感もピッタリな上、ブランドもクルマとの整合性を取れたと思う。
 
40年前のキットを楽しみながら制作


オーバル形状のマフラーカッターはタミヤ製ランサー・エボⅥの物を流用。トランクリッドのAMGロゴはメタルインレットを埋め込んだ。中央ベンツマークはキットのモールド。

 
ボディ色は定番のブルーブラック。あまり輝度が高くなく、モリブデングリスの様なヌルッとしたブラックメタリックの色調は、調色に苦労した部分でもあった。内装で目に付くレカロシートは、ロリンザーのキットの物を形状変更した上、細かなスイッチやレバー類のディテールを加え、ドイツの名品の工作を部品単体でも楽しんだ。
 
ベースとしたタミヤの500SECはもうかれこれ40年近く前のもの。現代の水準では多少組みづらい部分も見受けられるが、ガッシリとしたモールドや、肉厚に成型されたボディパーツは、どこか当時のメルセデスのイメージと重なり、安心感のようなものも感じられた。
 
この数年後、AMGはメルセデスベンツに吸収され、後のブラックシリーズ等を除けば随分とマイルドな展開をしていくこととなる。大迫力の容姿に怖気づくことなく、今一度、レース屋が作った高性能チューンドカーとしてこのクルマを見てみると、また違った凛々しさを感じられるのではないだろうか。 (飯塚健一)

 
作例はエンジンも再現しているが、これは“ハンマーヘッド”ではなく、メルセデス自製V8のM119の方。エアクリーナーのパイプを左側にも追加し、ヘッドカバーはタミヤの500SLから流用して装着。エアクリーナーの、メッキ調塗料を利用した金属質感にもこだわった。

modelcars vol.292 特集「メルセデス・ベンツ 最善か無か」より掲載

作例制作:飯塚健一 写真:服部佳洋 文:秦 正史

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