MOBILITY

2020.08.28

お宝ブリキ・モデルカーの世界「ホンダ T360」「初代トヨエース」戦後昭和の物流を支えた四輪トラックにフォーカス

東京・広尾のヴィンテージ・モデルカー専門店“シューストック”オーナー、今井修二氏秘蔵のコレクション。今回は、ホンダ初の市販四輪車であった小型トラック「ホンダT360」と、T360よりも先んじて高度成長期の軽物流を担った初代トヨエースのブリキにフォーカスする。
 
まずはホンダ初の市販四輪車となった軽トラック“T360”。当時のホンダは、S360やS500等の小型スポーツカー開発を推進していたが、リスクヘッジの観点から従来の2輪販売網でも取り扱いが可能な軽トラックの開発を企画、1963年に発売されたT360は、スポーツカーS360と同じく日本初のDOHC・2バルブ・エンジンを搭載、30馬力 /8,500回転という驚異的な高出力を絞り出した。
 
もともと高回転・高出力が必要なカテゴリでは無かったわけだが、如何にもホンダらしい精神を象徴する1台であることは間違いない。
 
そんなやや異色の成り立ちを持つT360とは対照的なのが、その10年近く前の1954年に登場した初代トヨエース(トヨペットライトトラック)である。シンプルかつ頑丈な設計で、しかも高性能化を辿っていたオート三輪よりも寧ろ価格が安かった。高度成長期の旗手だったオート三輪に引導を渡したのは、まさにこの初代トヨエースだったのである。
 
しかしトヨエースと言えば、ロングセラーだった2代目の印象の方が一般には強く、事実玩具の世界でも2代目を題材にしたものが多い。その意味で今回ご紹介している野村トーイ製の初代トヨエースのブリキは稀少。とりわけ元の箱が付いているものは極めて珍しい。
 
ホンダ T360 郵便車
■ NOMURA TOYS ■ 全長23.0cm ■ 1967年頃


 
1963年に登場したT360を題材とした野村トーイ製ブリキ。出来が良く、他社では製品化されなかった事もあって稀少なモデルとなっており、更にその郵便車仕様という珍しい存在。この個体は、ボンネットのHマークが水色である。モデルの作りそのものは、ノーマル仕様と完全に共通である。
 
トヨエース
■ ATC / ASAHI ■ 全長23.5cm ■ 1957年頃


1954年に“トヨペットライトトラック”として登場、1956年から正式車名を与えられた初代“トヨエース”は、頑丈さとコストパフォーマンスの高さで従来のオート三輪市場を奪う形となった。アサヒ玩具製ブリキはカラーバリエーションが豊富だ(この個体はターコイズと薄いピンクのツートーン)。



modelcars シューストック 秘密のコレクション「Sub Rosa」より

photo:Yoshihiro-HATTORI(服部佳洋) text:Takehisa-YAMADA(山田剛久)

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