MOBILITY

2020.08.29

メルセデスの電気自動車「EQC」で日帰り充電旅、運転はインテリジェントドライブにおまかせ!?

足柄SAで充電中のEQC

メルセデス・ベンツ初の100%電気自動車「EQC」。電気自動車とはいったいどんな乗り味なのか、メルセデスのEVはどれほど凄いのか? 各メーカーから次々とEVが発表され、気になっている方も多いことだろう。
 
東京六本木のメルセデス・ミー東京では、メルセデスを気軽に試乗できるトライアルクルーズを実施中。EQCも試乗可能なので会員サイト「Mercedes me」へユーザー登録し日時を指定すれば、運転試乗をすることが可能である。
 
メルセデス・ベンツ EQCはガソリン車のGLCをベースにした電気自動車で、日本で先行発売されていたテスラ・モデルXやジャガー・I-PACEといったラグジュアリー電動SUVがライバル。今回はメルセデス・ミー東京を出発し、富士スピードウェイを目的地としたショートトリップに出かけてみた。
 
今回試乗させていただいたのは「EQC 400 4 MATIC」というスタンダードモデル。前後にモーターを搭載し、そのスペックは最高出力408PS(300kW)、最大トルクは765Nmで、0-100㎞/h加速は5.1秒。車両重量は2500kgでバッテリーはそのうちの652kgもの重さを占めている(GLCはグレードにもよるが車両重量が約1900kg)。電池容量は80kWhで航続距離はWLTCモードで400km、価格は1080万円だ。ちなみにガソリン車のGLC 300 4MATICは787万円、AMG GLC 43が962万円となる。

上質で強烈な加速、インテリアもEV感を盛り上げる!


 
デザインはフロントとリアの曲線的なデザインがEQブランドらしい近未来感を演出。インテリアの質感も折り紙付きで、適度なメタル感とレザー仕立ての良さ、横長の液晶パネル、コックピットを囲んだLEDライトもEVっぽさを盛り上げる。スタートボタンを押した瞬間、エアコンがマックスで効きはじめるのもEVならでは(エンジンがないのでアイドリングいらず)。エアコンはスマホから乗車前に操作可能なため、今年のような酷暑には本当にありがたい。ドライバーズシートに座り、スルスルとEQCをスタートさせると、その静粛性と「いいクルマ感」に気分が高揚していく。

メルセデス・ミー東京を出発してすぐに高速道路に入ったが、その加速にも思わず笑顔がこぼれる。アクセルを踏んだ瞬間にタイムラグがなく上質かつ強烈に加速。テスラ・モデルXやI-PACE同様、EQCも好みの走りをスポーツ、コンフォート、エコなど(細かい設定のあるインディビデュアルもあり)から選ぶことができるのだが、料金所と追い越しで何回か加速を試したのち、あまりにも快適なので早々にメルセデス最新のアダプティブクルーズコントロール(ACC)をセットすることにした。

ノロノロ渋滞から先、運転はEQCにお任せ


 
テスラオーナーの方に何人かインタビューしたことがあるが、高速はオートパイロットに任せてしまうという方がほとんど。メルセデスのACCも半自動運転的な使い方ができるので、東名に乗ってすぐにノロノロ渋滞があったこともあり、そこから先の運転はすべてEQCにまかせてしまった。
 
なんでもEQCはSクラスと同等の性能を誇る、メルセデス最新のレーダーセーフティパッケージが採用されているとか。高速走行の渋滞時も前走車との最適な距離をキープする自動再発進機能が設定されているが、これは休日の高速道路渋滞には本当にありがたい機能だと思う。
 
実際EQCに乗っていると自動運転の世界はもうすぐそこにあると実感できるし、あまりにも楽なので一度ACCをセットしてしまうと、それをOFFにする気がしない。
 
人間は少しでも楽なソリューションがあると、そちらに流れてしまう生き物だそうだ。クルマは運転するのが楽しいという方も、自動運転時代にはそんなことは忘れてるはずでは? とEQCで高速道路を進んでいると思ってしまう。

もはやスイッチも使わず、音声指示が当たり前


 
東名で高速道路を運転……というか、EQCのハンドルに手を添えていると、ラジオ局を手元の操作で変更することすら面倒に思えてくる。MBUX(MercedesーBenz User Experience)が搭載されているので「ハイ、メルセデス、ラジオを変えて」というと「どちらのラジオ曲にいたしますか?」と返答があり「FM横浜にして」などと応答していくやりとりが当たり前となる。音声でエアコンの温度を上げてもらい、充電状況も教えてもらいつつEQCは勝手に目的地へと進んでいく。
 
このMBUXはEV用の対応もしており、充電状況のほか航続可能距離も教えてくれるのだ。ドライバーズシートにいながら、気持ちは後席にゆったり座り、ロボットの運転手にあれこれ指示しているような、そんな印象だ。
 
快適性、ラグジュアリー性を追求し、様々なモビリティメーカーがハンドルのないEVのコンセプトカーを提案しているが、クルマが勝手に目的地へと連れてってくれる世界はすぐそこにあるのかもしれない。

高速、自宅、日産ディーラーとどこでも充電できる安心


 
さて、東京をバッテリー容量80%航続可能距離294km(私が予定より早く引き取ったので100%ではなかった)でスタートし、目的地の富士スピードウェイで用事を済まし、帰路の途中で足柄PAに到着した際の航続可能距離が163km。ここで遅いランチ&充電とし30分の急速充電で航続可能距離は241kmに復活。78km分が充電された。
 
モデルXもI-PACEも、ガソリン車に比べて高速道路での移動が疲れにくいと感じるのだが、EQCも同様だ。床下にバッテリーを搭載することでクルマの重心を下げ、どっしりと安定した巡航を得意としているからだそうだ。行きと同様、帰りもEQCのインテリジェントドライブでなんのストレスもなく帰路につくことができた。

その後、自宅での普通充電、日産ディーラーでの急速充電も試したが、どちらもノンストレスで充電は完了。ただ、これは当たり前だが重要なことで、ガソリン車とは違い、充電器のエラーひとつでEVは充電旅のストレスが一気に増える(そこが面白くもあるが)。EQCならさらなる長旅も計画できそうだ。
 
EQCが発売された当初「ガソリン車ベースでEV専用設計じゃないし、どうなの?」という意見も見受けられたが、遅ればせながら今回の試乗で私はEQC、結構いいなと感じた。すでに乗られた方からは「EVになってもメルセデスはメルセデスだった」という話も聞いていたが、なるほどその上質な質感と走りはEVになっても変わることはなく、今後さらに加速していくのだろうと実感したのであった。

text&photo:Soichi Kageyama

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