MOBILITY

2020.09.09

黒いポルシェとレンジローバーが映える白亜のガレージハウス RC造に見えてじつは木造3階建!?

ポルシェ・ボクスター、レンジローバー・ヴォーグ、V-MAXが休まるガレージ。じつは1階はRCに見えるが壁面は壁紙。木造3階建てのガレージハウスである。

新潟県新潟市に住居を構え、実業家として様々な事業を行っているイスラエル出身のアルコビさん。彼のガレージハウスは白い漆喰が美しいモダンなエクステリアが特徴。ガレージにはブラックのレンジローバー・ヴォーグとポルシェ・ボクスター、ヤマハ・V-MAXが並んでいる。このリゾートテイストあふれるガレージハウスは一体、どのように建築されていったのであろうか?
 
24年前に来日し、8年前に結婚したことをきっかけに、マンションから一戸建てに引っ越そうと考えていたアルコビさん。ある日、海沿いを自転車で走っていると、とある60坪の土地が売りに出されているのを発見したという。駅から距離はあるものの、高台で新潟市内の夜景が楽しめるほか、海まで徒歩5 分と絶好のロケーション。ガレージハウスを建てようと、すぐさまその土地を購入したという。

店舗改装の経験を生かしたガレージ作り


 
アルコビさんは、新潟市内で店舗の改装などを行う株式会社『AC15』を経営しているため、施工は自身の会社で行うことに。まずは、理想的ガレージハウスのスケッチということになるが、その工程はアルコビさんが今まで世界を旅行し印象に残った建物のエッセンスをアウトプットしていくというものであった。
 
ご主人が好きなクルマを格納するガレージは、『文化シヤッター』製のオーバーヘッドドアを採用。既存のガレージドア最大の開閉部とし、クルマ2台に対して比較的スペースを大きく確保することが元々の希望であった。
 
奥様の要望は、大きなキッチンスペースと、体を鍛えるためのトレーニングルーム。ご夫妻はゲストを招いてパーティーを開催することがよくあるとのことで部屋数はそれほど必要なく、ゲストが来た時に寛ぐ大きなスペースを優先したいというイメージがあったということだ。

設計段階でプランニングに壁が!


 
二人の要望をまとめ、設計、構造計算を担当したのはアルコビさんの友人である『オレンヂカンパニー』の川上氏であった。ただ、氏はご夫妻と細かな打合せをしていき、構造計算をする中でプランニングの壁にぶつかったという。
 
今回のプランはガレージやパーティのできる広いLDKなど、とにかく空間を大きくしたいという要望があり、木造では体力壁が少ないため構造計算が成り立たたない。しかし、RC造や軽量鉄骨造にしてしまうとコストが上がってしまうのだ。
 
そこで採用したのが柱と梁、最小限の体力壁で強度を確保するSE工法。この工法は強度に優れた構造用集成材を柱と梁に使用し、専用のSE金物で剛接合するもので、耐震構造にも強く、理想とする大きな空間も実現させることができるという。

開放的なLDKはパーティのため


 
3 階建てのガレージハウスは、一見するとRC造に見えるがじつは木造3 階建て。1階はガレージで2階は吹き抜けのある開放的なLDKとなり、キッチンはパーティ料理を準備するためLIXIL製の大きなサイズをビルトインしている。
 
リビングは和室とつながっており、冬には雪を見ながら日本酒を楽しむためのスペースへと早変わり。また、夏には大きなデッキで友人を招いて、バーベキューを楽しむことができる。3階は主寝室と露天風呂、さらには愛犬の部屋と大きなウォークインクローゼットという間取りとなる。
 
居室が少ないシンプルな設計だけに、その部屋1つ、1つにテーマを決め壁紙、床材に変化を持たせることで、どの空間もアクセントの効いた印象的な仕上がりとなっている。これはアルコビさんの20 年におよぶ日本で店舗施工の経験が役立っているのだそうだ。
 
モダンかつ、新潟の冬を楽しむ工夫もされたガレージハウス。海外経験豊富なアルコビさんならではといったセンスが光る、開放的な空間であった。



●取材協力

AC15
http://www.ac15.jp 

オレンジカンパニー
http:/www.orange-company.jp/company
     
GarageLife 別冊「ガレージのある家 vol.34」より掲載

photo / Hiroyuki KONDO(近藤浩之)  text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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