MOBILITY

2020.09.30

サーキットでポルシェのEV「タイカン」と「パナメーラ」を比べてみた! 【Eマガジン】

袖ヶ浦フォレストレースウェイにてポルシェ・タイカンとパナメーラを比較

いよいよデリバリーが迫る、ポルシェの電気自動車「タイカン」だが、そのヨーロッパ仕様を袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗できるイベント「Taycan Touch & Feel Session」に参加させていただくことになった。今回はその第一回目となる。
 
試乗するにあたって、ポルシェジャパンのアレックス氏より、タイカンについて同じく4ドアモデルとなるガソリン車の「パナメーラ」と比較しながら説明をいただいた。タイカンのグレードは上からターボS、ターボ、4Sとなるが、説明に使われたのは左ハンドル、ヨーロッパ仕様、ホワイトボディのターボ。比較に使われたのは赤いパナメーラのGTSとなる。
 
EVのメリットを活かした911に近いデザイン

まず、タイカンのデザインについてだが、フロントまわりがポルシェらしさと新しい印象を併せ持っていることが大きなポイントとのこと。

 
タイカンではボンネットとフェンダーの高低差、メリハリがいかにもポルシェらしいが、これはRRレイアウトを持つ初代911から続くもので、タイカンの場合はエンジンがなく低い位置にモーターをレイアウトできたからこそ、このデザインを実現できたという。
 
当たり前だが、パナメーラのボンネット内にはエンジンが入っているため、ボンネットとフェンダーの高さにあまり差はない。2台を比べると、タイカンの場合はパナメーラよりもむしろ新型911に近いデザインを持っているといえる。


 
空気抵抗は911より少ないCD値0.22を実現
 
ヘッドライトはポルシェ初のフローティングデザインを採用。タイカンで象徴的なヘッドライト脇のエアインテークは空気抵抗を少なくすることに貢献。乱気流が起こりやすいフロント部分だが、このエアインテークを入れることで、車幅を狭くするのと同じ効果があるとのことだ。


 
ちなみに、クルマで一番のエネルギーロスは空気抵抗で、それを減らすのがデザインの意匠となる。タイカンはポルシェのラインナップの中で一番空気抵抗が少ないモデルでCD値0.22という値を持つ。ちなみに911は0.29とのことだ。
 
空気抵抗の削減に役立っているのが、ホイールのデザイン。写真のタイカンターボエアロホイールは、一見するとメッシュホイールに見えるが、スポークの間は面でふさがれており、空気抵抗に優れるという。

それにあわせ、ブレーキディスクは非常に耐久性の高いタングステンカーバイドコーティングがされており、ブレーキダストが発生しにくいものとしている。そのことから汚れやすいブレーキキャリパーはあえてホワイトにペイント。

EVなので、回生ブレーキを多用することから、ブレーキ自体を多用しないのかという質問には、タイカンの場合、減速にはスポーツカーを操る楽しさを重視し、回生ブレーキをそれほど効かせていないとのことであった。

 

EVということや空気抵抗の少なさもあり、1km走行するにあたってのエネルギーはタイカンで200W、パナメーラの場合は1000Wが必要ということで、タイカンが非常にエネルギー効率の高いクルマということがわかる。
 
特徴的なライトと多数のセンサー&カメラ
 
また、特徴的な4灯のデイタイムランニングライトでは、センターライトユニットのレンズ後ろに84個のLEDを搭載。カメラで対向車を検知すると対向車がまぶしくないように調整するマトリックスLEDが採用されている。

フロントサイドのエアスクープには、アクティブエアロダイナミクスを採用。走行時にフラップを開け閉めすることで、スポーツプラスモードなど、冷却が必要な場合に開くのだそうだ。



フロントバンパー下、中央のテクノロジーエリアには、アダプティブクルーズコントロールのレーダー、サラウンドビューカメラ、赤外線カメラを搭載。そしてサイドにはパークセンサーを装備するなど、センサーとカメラが満載されている。

充電ソケットはデモ車が欧州仕様のためコンボとなっていたが、日本仕様は右ハンドルになるので、右に普通充電、左に急速充電のソケットがレイアウトされるとのことだ。
 
床下バッテリーの工夫で室内も広々
 
タイカンとパナメーラのデザインをサイドから比べると、タイカンの場合はBピラーからルーフにかけて寝かされたデザインになっているが、パナメーラはCピラーからルーフにかけて寝かされたデザインとしており、タイカンのほうがよりスポーティーに見える。
 



これは、パナメーラはメルセデスでいうところのSクラスと同セグメントで、タイカンはEクラスとひとつ下のセグメントとしているため、パナメーラのほうが、より後席の居住性を広くとっていることによる。ただ、タイカンも居住スペースを広くする工夫がされていて、それがバッテリーのレイアウト方法となる。


こちらの室内はパナメーラGTSのもの

電気自動車ではどのクルマも床下にバッテリーを配置することが多く、車内が上げ底となり居住性を損ねてしまう。ただ、タイカンではバッテリーモジュールを2層にすることで、後席の足下にバッテリーを配置せず広々としたスペースを確保しているのだ。
 
リアビューではBピラーからルーフが寝ているということもあり、真後ろから見るとリアウインドウの下がすぼまっていき、ポルシェロゴとともに911同様に力強いリアビューをイメージさせている。また、マフラーがないため、そのスペースまでディフューザーを入れることで、最後まで空気抵抗を減らすことに貢献しているという。




 
トランクはゴルフバックが2つ入るスペースを確保。リアシートを倒す3つ入るということで、こちらも思ったよりも大きな空間が確保されていた。
 
環境に配慮したサステイナブルなインテリア
 
デモ車のインテリアにはオプションの固定式パノラマガラスルーフが採用されていて、ルーフがすべてガラスとなっていたが、これはとても開放感がある。

このオプションを採用することで、ヘッドクリアランスに2センチ余裕ができるということと、ポルシェでこの面積は初ということもありこちらも見どころのひとつといえよう。
 
ガラス面が大きいので、夏は暑そう! と思いきや、断熱フィルムがあるため、室内は暑くも寒くもないということであった。


 
室内に使われているレザーは、すべてオレアクラブレザーを採用。オレアはオリーブの意味で、なめし加工にオリーブの葉のエキスを使っているとのこと。これは生産プロセスで化学物が出ず環境に配慮していることによるものだが、同様にカーペットとフロアマットにはエコニールという漁業で使う網をリサイクルした素材を採用。
 
最近ではプラダなどハイブランドでも利用されているが、タイカンは生産プロセスや素材もサステイナビリティーに配慮したものとなっているのであった。
 
コックピットに座ると、初代911からインスピレーションをうけたポルシェ伝統的デザインのメーター類が湾曲した16.8インチディスプレイに配置されている。センター、コンソール、パッセンジャー(オブション)にもディスプレイがあり、すべてタッチコントロールとスワイプで操作できデジタル感あふれる室内に仕上がっている。

 

エアコンの風向きもスワイプで調整でき、センターコンソールのダイレクトタッチコントロールはタッチパネルなのにガチっと押した感覚があるため、かなりの未来感を感じることができる。
 
ひととおり説明いただき、いよいよサーキットへ。試乗車は一番ハイパフォーマンスなタイカン・ターボSとなるが、このレポートは次回お届けする。

text&photo:Soichi Kageyama

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