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2020.10.06

高値更新中のヴィンテージ腕時計、パテックフィリップの複雑時計、クロノグラフとカレンダーを選ぶ【ヴィンテージライフ】

PATEK PHILIPPE Ref.1463 1952年製で、パテック社唯一の防水仕様クロノグラフモデル。2カウンタークロノグラフに、大ぶりのリューズと丸形のクロノグラフプッシャーがデザインアイコンとなっている。バルジュー23をパテック仕様にチューニングされ、スクリューバックになった裏蓋を開けると、普段は見えないムーブメントでも完璧な面取りや装飾が施されており、感動する。手巻き。18KRGケース。

パテックフィリップは数々の伝説に彩られた時計メーカーである。例えば、2002年にアンティコルム社主催のオークションにおいて最高額約5億円(660万スイスフラン)で落札された「ワールドタイム」モデル。
 
天才時計師ルイ・コティエが開発し、1946年に製作された世界で1本だけのプラチナケースモデルだったとはいえ、当時は驚きの金額であった。こうしたアンティーク市場での価格は、過去から現在にかけて時計ブランドの評価そのものであり、そのオークションレコードは更新され続けている。
 
2019年にはパテックフィリップが慈善オークション、オンリーウォッチに寄贈したグランドマスター・チャイムは約34億円で落札されたことでも話題となった。
 
各社が持てる技術を注いで作ったコンプリケーションモデル(複雑機械式時計)はアンティークウォッチでも花形であり、オールドパテックともなれば、出会うことも難しいレアアイテム。今回は珠玉の2本コンプリウォッチをヴィンテージウォチの銘店「プライベートアイズ 」の協力のもと紹介させていただこう。
 

パテック珠玉のクロノグラフとカレンダーモデル

 

PATEK PHILIPPE Ref.1463 1952年製で、パテック社唯一の防水仕様クロノグラフモデル。2カウンタークロノグラフに、大ぶりのリューズと丸形のクロノグラフプッシャーがデザインアイコンとなっている。バルジュー23をパテック仕様にチューニングされ、スクリューバックになった裏蓋を開けると、普段は見えないムーブメントでも完璧な面取りや装飾が施されており、感動する。手巻き。18KRGケース。


まずはクロノグラフ。パテックフィリップといえど、クロノグラフムーブメントの完全自社開発を成功させたのは、ごく最近のこと。クロノグラフ専業メーカーから供給されるエボーシュ(半完成状態のムーブメント)を使用するのは当たり前であった。
 
Ref.1463もバルジュー23をベースにしたCal.13 が搭載されている。しかし、パテックが手掛けるとなれば、ピラーホイールにはシャポーと呼ばれるキャップが被せられ、動力を伝達するキャリングアームも独自の形状にアレンジされる。結果、クロノグラフの操作感も別物な、極上の代物となるのだ。


PATEK PHILIPPE  Ref.1526 1947年製。トリプルカレンダーモデル。12時位置にマンス&デイト表示。6時位置のインダイアルにはデイ表示と秒表示の針が同軸上に備わっており、ムーンフェイズも搭載されている。手巻き。18KYGケース。
 

次にパテックフィリップが得意とするカレンダーモデル。これはクリスティーズのオークションで歴代2位の落札価格(626万スイスフラン)されたモデルからクロノグラフを省略した型。
 
それでも1942年から1952年まで210個しか製造されていないこのトリプルカレンダーモデルが、希少なのは変わりない。現在でもその人気ゆえに何度もリバイバルされ、受け継がれている。いずれも今なお色あせない世界最高の技術と美しさが魅力だ。それがパテックフィリップたる所以なのである。

取材協力:プライベートアイズ 

VINTAGE LIFE vol.11より掲載

文:高橋克実 写真:横澤靖宏

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