MOBILITY

2020.10.06

幻のランボルギーニ製1シーターオープン、2750cc 3気筒エンジン「DL45」! その他ヴィンテージランボを36台格納するガレージ【ガレージライフ】

鮮やかなイエロー、オレンジ、レッドでズラリと並んだ、ヴィンテージランボルギーニのオープンスポーツ

スーパーカーメーカーとして、いまや成熟期を迎えようとしているランボルギーニ。そのランボルギーニの創始者フェルッチオ・ランボルギーニは、現在のランボルギーニ本社のあるサンタアガタ・ボロネーゼから北東に15km 少し離れた街、レナッツォで生まれた。ご存知の通り、ランボルギーニはクルマからではなく、トラクターからスタートしたメーカーだ。
 
ここで紹介するガレージは、レナッツォにあるフェルッチオの生家から2km ほど離れた場所に位置している。ただし、ガレージに収まるのはクルマではなくトラクターだ。それもランボルギーニのトラクターだけで36台。ランボルギーニ以外のトラクターと合わせると、実に110台(取材時当時)ものトラクターを収集している、ひとりの男のプライベートなガレージである。
 
すべてのトラクターはすぐに稼働できる
 
トラクター・コレクターのアルフィオ氏は、イタリアのこの地で生まれ育ち、土を耕して生計を立ててきた生粋の地元の人間である。ガレージに整然と並べられた、彼のプライベートコレクションのトラクターは、どれもすぐに動かすことができるように整備されている。
 
整備はすべてアルフィオ氏が自らの手で行う。不動のトラクターは、アルフィオ氏によるメンテナンスを待っているものたち、という訳だ。聞くと、アルフィオ氏のこだわりは、現役当時の姿をそっくりそのまま維持することだという。
 
ガレージに所狭しと並んだランボルギーニ製トラクターは、いつでもエンジンを始動することができ、そのまま田畑で農作業のサポートができそうな状態である。言葉を換えるならば、いま農作業を終えてガレージ=納屋に戻ってきたような固体のものばかりだ。これこそが、アルフィオ氏のこだわりなのである。
 
ミュージアムに展示されているような、再塗装を行い新車然としたレストアは施さない。あくまでもトラクターとして使われてきた姿をそのまま後世に伝えたいというのだろう。クルマのカスタムでも、エイジングという手法があるが、アルフィオ氏のトラクターは、正真正銘の「年季」によるエイジング。人の手によるわざとらしさが一切ない。だから、どのトラクターもたった今まで、農作業に使われたような佇まいなのだ。
 
1966年までのトラクターで統一
 
アルフィオ氏がコレクションするトラクターは、 1950 年~ 1960 年代のもので占められている。厳密に言うと、1966 年製までのトラクターをコレクションの対象にしているという。
 
幼い頃からこの地で育ったアルフィオ氏にとって、地元でつくられたランボルギーニのトラクターが農業に従事している光景は、日常のひとこまであったはず。彼のそうした幼少期の記憶のままの姿で、トラクターはコレクションされているのである。
 
ランボルギーニ・トラクターのガレージ
 
母屋とは中庭を挟んで建てられた、ランボルギーニ・トラクター専用のガレージは、アーチ型の屋根をした農家の納屋そのものである。正面に小さなランボルギーニのエンブレムが付けられているが、それがなければ、ただの納屋と何ら変わりはない。
 
大きな扉を開くと、ガレージの床はモルタルが敷かれるわけでもなく、白い砂利が敷き詰められている。骨組みとなるパイプはむきだしのまま。アルフィオ氏によると、トラクターを納めるガレージは、あえて農家の納屋と同じような仕様にしたそうである。トラクターに相応しい環境というわけだ。これもまた、氏のこだわりである。
 
もちろん、写真でお見せしたガレージだけでは、アルフィオ氏が集めた100 台以上のトラクター・コレクションを収めることはできない。トラクターを納めているガレージは、ほかにも複数あるとのことだ。今回は、アルフィオ氏がもっとも思い入れのある、ランボルギーニ製のトラクターだけを納めたガレージを特別に拝見させてもらったのだ。
 
クルマはアルファとメルセデス
 
トラクターのガレージにこだわっているアルフィオ氏のクルマのガレージだが、どのようなものなのだろうか。メルセデスとアルファロメオの収まったガレージは、母屋の1階にある。どちらも実に手入れが行き届いた固体だ。
 
そしてこのガレージに、年季の入ったデスクがあり、そこにメンテナンスのための工具類が揃えられている。デスクをはじめ工具などは、トラクター同様に使い込まれたものばかり。ガレージの奥にはメンテナンス待ちのトラクターがひっそりと佇んでおり、クルマのガレージは、トラクターや愛車のメンテナンスを行うガレージでも兼ねているのだろう。
 
トラクターを買うのは容易いけれど、それを動くように修理するのがひと苦労なんだよ」とアルフィオ氏は笑って話してくれた。アルフィオ氏にとっては、トラクターを集めることが目的ではなく、動かなくなったトラクターを買取り、動くように修理したり機械いじりをすることも含め、トラクター収集なのである。

GarageLife vol.76

text & photo/Yoshihiko-NISHIYAMA(西山嘉彦) project and codinated/Yuko-NOGUCHI(野口祐子)

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