ルパン三世「カリオストロの城」に登場するクルマとしてもおなじみ、FIAT 500(チンクエチェント)を電気自動車にコンバートしたことで話題の「FIAT 500 ev」。
このFIAT 500 evは、旧いFIAT 500をイタリアのカロッツェリアでレストアし、電気自動車にコンバートしたクルマだ。
愛知県名古屋市の「チンクエチェント博物館」が企画、輸入し、ガレーヂ伊太利屋、フィアット岐阜、フィアット京都がその販売ディーラーとなっている。
今回、そのFIAT 500 evを東京都江東区の「ガレーヂ伊太利屋」で試乗することができたので紹介しよう。
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開けてビックリ電気自動車!?
ラインナップには5.5kWhのバッテリーで約40km走行可能なワンバッテリーモデルと、10kWhで約80km走行可能な2バッテリーモデルがあるが、試乗したのはワンバッテリーのプロトタイプである。
見た目は1969年型のフルレストアがなされたクラシックなFIAT 500だが、ボンネットを開けるとガソリンタンクのかわりにバッテリー。リアフードを開ければエンジンのかわりにモーターが入っている。
見た目は普通のチンクエチェント、開けてビックリ電気自動車といったところだ。
イタリアで行っているEVへのコンバートだが、チンクエチェント用のEVコンバージョンキットがニュートロン社から出ており、それを組み込んだことでEV化しているのだという。
オートクチュールで自分好みのFIAT 500 evを!
チンクエチェント博物館の伊藤代表によると、FIAT 500 evはイタリア本国でかなり販売実績があり、今年はすでに45台を販売されているとのこと。
顧客はドイツ、スイス、マイアミ、アラブの富裕層だそうで、別荘のある島での移動にもオープンモデルが重宝されるらしい。
ちなみに、チンクエチェントベースの屋根開きビーチカー(ジョリー)も、当初はギリシアの富裕層がカロッツェリアギアに頼んで改造したのが始まり。椅子を藤に変更するなど、夏のビーチ、湖のバカンス用として販売されていたことで知られている。
今回のFIAT 500 evもそうした当時と同じように、オートクチュールの一環として考えていると伊藤氏は語る。
「カロッツェリアで作っているので外装も、ボディの色も自由で屋根空きバージョンも作れます。ボディの上下を違う色でペイントすることもできるので、ミラノのモード的な感覚で仕上げて乗っていただきたいですね」
博物館ということで、オリジナルも大事にしているのはもちろんだが、FIAT 500 evはそれとは別の尖ったオートクチュールという方向だと続ける。
「ベースカーは50年前のクルマで古いクルマを保護し、保存することにつながりますから、エコですし、SDGsの観点とも合っていると思います。チンクエチェントを素材にして、世の中にない新しいクルマにしたいですね」と語っていた。
非日常を簡単に味わえる新しいクルマ
さて、実際にFIAT 500 evを試乗してみよう。内装も一見オリジナルのまま。イタリアでは、クラッチペダルも取り去りオートマとして制作されているということだが、プロトタイプではあえてオリジナル感を出すためそのままにしているそうだ。
停車しているときはアイドリングがないので、無音。走り出すとミッションノイズがするため、とても静かだがクラシックカーに乗っている感覚も残っている。
トルクがあるので、ギアは4速に入れたままクラッチも使わずアクセルを踏んでスタート。80km、90kmまでスムーズに加速していくが、ガソリンでノーマル仕様のチンクエチェントだと、こうはいかない。
クラシックなインテリアとフロントウインドウから見える風景はどことなく非日常。キャンバストップを開ければ開放感はさらに広がり、走っていてとても心地がよい。
オリジナルのFIAT 500はミッションにシンクロが入っておらず、1速、2速のギア比も低いため、はじめて走行するにはコツが必要だ。
しかし、FIAT 500 evであれば、オートマ免許で乗れ、気軽にコンビニにも行け、交通の流れにもスッと乗れる。
価格が550万円と高価なことや航続距離が短いということもあるが、バッテリーを2個積めば、80km近く走行できるため、都内での移動では問題なさそうだ。
このFIAT 500 evプロトタイプは、ガレーヂ伊太利屋、フィアット岐阜、フィアット京都で、実際に見学や試乗を予定しているとのことなので、気になる方は是非、その楽しさを体感していただきたい。
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