MOBILITY

2020.12.18

「DS」の高級コンパクトEV「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」に試乗!「アールデコ」や「アバンギャルド」を感じる高級電気自動車が499万円から!【Eマガジン】

「DS AUTOMOBILES」の電気自動車「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」

フレンチラグジュアリーブランド「DS AUTOMOBILES (以下DS)」の電気自動車「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」に試乗することができたので、その模様をレポートさせていただきたい。

デザイン、建築、ファッションなど、フランスやパリの文化そのものをクルマに取り入れて、新しい時代のフレンチラグジュアリーを目指すDSのクルマづくり。

そうしたスタイルは「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」のいたるところに採用されている。

たとえば、建築に関してはフランスの建築デザイン様式で1920年代に発祥した「アール・デコ」。この意匠はインテリア、グラフィック、メーターデザインに反映されている。

【写真52枚】アールデコ! な「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」

今回は横浜での試乗であったが、山下公園の観光名所で1930年に建造された船「氷川丸」のインテリアもアールデコ様式とのことで、当時はラグジュアリーな空間というとアールデコだったようだ。

そのほか、顧客にあわせて一点もので服を仕立てる「オートクチュール」。フランス宝飾時計の文字盤装飾で代表的なクル・ド・パリ(ギョーシェ彫り)。

そして、かつてフランスで一点ものの超高級車を製造していた「コーチビルド」文化の要素が、DSのクルマには表現されているとのこと。

古くからのフランスやパリの文化と先進的なEVがどう融合しているのかが、とても楽しみだ。

日産リーフよりもコンパクト



試乗したモデルはE-TENCEの専用色であるクリスタルパールにペイントされた上級グレードのGrand Chic。

デザインは先に発売されていたエンジン車の「DS 3 CROSSBACK」と共通だが、サテンクロームのDSウイングやアンスラシートグレー塗装のグリル、各部のE-TENCEマークにより差別化が図れている。

カテゴリーはBセグメントのプレミアムSUVということで、サイズは全長4120×全幅1790×全高1550mm。日産リーフが全長4480×全幅1790×全高1560mmなので、リーフと幅、高さはほぼ同じだが全長で36センチもコンパクト。

Bピラーに立ち上がるシャークフィンや前後のライトデザインなどディテールに凝っていて、他のクルマにはない迫力を感じるものの、実車は写真で見るよりもコンパクトで乗りやすそうだ。

エンジン車と変わらない室内空間

この「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」には、グループPSAの新世代プラットフォーム「CMP」のBEV版である「eCMP」を採用。

エンジン車と同じプラットフォームを採用することで、工場では同じラインで混合生産をすることが可能なのだそうだ。

今回はエンジン車である「DS 3 CROSSBACK」にも試乗させていただいたが、バッテリースベースが必要なEVとなってもトランクルーム、居住空間はエンジン車とかわらないことが確認できた。

一点あげるとすると、バッテリーがフロントシート下、センターコンソール、リアシートの座面下にH型で配置されているため、後部の乗員が前席の下に足をいれにくいということがあるようだが、そのほかは内燃機関と同じである。

バッテリー容量は50kWh。JC08モードで後続距離は398kmとなっており、運転状況にもよるが実際には300kmくらいとのこと。

ちなみに、欧州の主要マーケットでは一日の走行距離が40km程度。週7日で280kmということで、週に一度の充電でまかなえるというのが50kWhバッテリーにした根拠だという。

さらに日本のBセグメントモデルだと一日の走行距離はヨーロッパの2/3程度。50kWhとうのは日本の環境には受け入れやすいバッテリー容量といえる。

アバンギャルドなインテリア!



さて、実際にクルマに乗り込もうとすると、美しいシルエットのリトラクタブルドアハンドルが自動的に現れる。

インテリアで印象的なのはダッシュボード中央にダイヤモンド型にレイアウトされたスイッチ類とエアコンの吹き出し口。

センターコンソールは先に触れた伝統文様である「クル・ド・パリ」が採用されるなど非常に凝ったデザインが採用されている。

ステアリングホイールは本革でシートはサイドがナッパレザー。インテリアのステッチなどなどDSの世界観であるアバンギャルドデザインが凝縮され楽しいものだ。

DSらしいエレガントな走り

スタートは中央のENGINE(ではないが)のスイッチを押し、Dレンジに入れるだけ。無音でスルスルと走り出す。

ドライブモードはスポーツ、ノーマル、エコの3つ。最高出力はスポーツで100kW、ノーマルで80kW、エコで60kWと出力の制限がかかる。

EVということで動力はモーターだが、減速時など走行フィーリングは内燃機関のエンジンブレーキをシミュレーションしているとのこと。

PSAグループでは同プラットフォーム、同モデルで、内燃機関かEVを用意し顧客に選んでもらう「パワーオブチョイス」に取り組んでいるため、エンジン車から乗り換えても乗車感覚に違和感がない乗り味になっているそうだ。

さらにBモード(ブレーキモード)という回生ブレーキが強くかかるモードをセレクトすると、回収エネルギー効率を最大化することができるほか、ワンペダルに近い走行が可能。

実際にBモードを試してみたが、日産リーフやテスラで回生ブレーキを強めに設定した状態というほどではなく、交差点ギリギリまで回生がかかり、最後にブレーキを踏んでとまるという味付けになっている。

同じeCMPを採用し、バッテリー容量、モーター出力も同じプジョーe-208、e-2008も先に試乗させていただいたが、この「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」のほうが、若干回生ブレーキのかかり方がさらに滑らかに感じた。こちらはDS風のエレガントな味つけがされているのかもしれない。

フォーミュラE譲りのモーター



サイズ感はe-208とe-2008の中間くらいで、横浜の街中でも扱いやすい。エンジン車の「DS 3 CROSSBACK」も試乗したが、静粛性や出だしの気持ちよさ、なめらかさ、上質さなどすべてEVである「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」に分があると感じる。

2台を乗り比べると、エンジンの乗り味は正直古臭く感じてしまうほどだ。ヨーロッパではガソリン車の排出ガス規制により、エンジンがどんどん小排気量化している。

かつては大排気量エンジンならではという、おおらかな鼓動感やラグジュアリー感があったが、今、環境性能と高級感を両立させるのであれば、小さいエンジンを無理やり使い、いちいちアイドリングストップがかかるよりも、モーターを使用したほうがドライブフィーリングはラグジュアリーだと感じる。

さて「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」のモーターだが、なんとEVレースの最高峰であるフォーミュラEの技術をフィードバックしているとのこと。

DSオートモビルはDSテチーターとして参戦しているが、2019年、2020年ともにドライバー、チームの両方でチャンピオンを獲得しているのだ。

ちなみに「E-TENSE」はDSオートモビルの電動化におけるサブネームで、EVだけではなくPHEVも含まれて、フラッグシップモデルである「DS7  CROSSBACK」もヨーロッパではPHEVモデルが「E-TENSE」の名前で用意されているとのことである。

週1充電で普段使いの高級EV

気になる充電速度は普通充電200V、3kWで18時間、6kWで9時間。急速充電では50kWのチャデモで0から80パーセントまで50分で完了するというので、こちらも普段使いの使い勝手はよさそうだ。

DSの根底にあるキーワードは「SAVOIR-FAIRE(サボアルフェール)」とのこと。その意味は、作品のクオリティを裏付ける経験や修練のことで「よりよいもの、より美しいものをアーティスティックに創造せずにはいられない」という美学、美意識なのだという。

価格はラグジュアリーEV、しかも輸入車ながら消費税込みで500万円を切る499万円(So Chic)で、試乗車は534万円(Grand Chic)とお求めやすい。

電気自動車で自動運転時代になると、どのクルマも一緒になるとは言われがちだが、テクノロジーをエンタテイメント性で表現するというDSのEV「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」に試乗させていただき、その価格も合わせてEV選びの楽しさが広がったように感じられた。

RECOMMENDED


RELATED

RANKING