オーストリアのオートバイブランド「KTM」の正規販売店として2020年8月にオープンした『KTM杉並』。
今回は、バイクのメンテナンスガレージを建てたいと考えている方に向けて、同ショップのガレージを徹底取材させていただいた。
KTM オレンジがまぶしい160㎡の店舗は、世界基準で定められたルールのもと、ショールーム、カウンター、ピット、トイレ、そしてお客様からの預かりスペースがレイアウトされている。
今回、デザイン、設計、施工を担当したのは(株)新井電機商会の新井さん。
新井さんはKTMを4台所有し、KTM杉並の代表である丹生谷さんとは旧知の仲ということ。
お互いのことを良く分かっているということで、プランニングは大変スムースに進んでいったという。
なんと、今まで運営していた『KTM 中野』の移転計画からわずか5か月でオープンさせたのだそうだ。
【写真20枚】KTMショップガレージのディテール ブランドカラーを生かした店舗 KTMといえばブランドカラーのオレンジと落ち着いたグレーなど、使用できるカラーは限定されている。
KTM製オートバイを4台所有する新井さんであっても、KTM オフィシャルディーラーのデザインとなれば話は別。
いかに、使いやすく作業性に優れた空間を提供するかが第一の課題となった。
何よりもRC 造のマンション1階に位置するため、ピットには防音性が求められる。
そこで目をつけたのがエンジン音を遮断させることができる、排気ガス排出システム「EG WAYOUT」の存在だった。
排気ガスと排気音を削減する排気システム 当初は他社の製品やオリジナルで自作することも考えたが、オートバイ用にもカスタムしてくれるEG WAYOUTが、安価でデザイン性にも優れているという理由で導入。
代表の丹生谷さく「静粛性を求めて導入した排気ガス排出システムでしたけど、こんなにクリーンな環境で仕事ができるようになるのかと、メカニックの健康維にも役立っています」と代表の丹生谷さんは語っていた。
工具の置き方、壁の使い方も参考になる ピットには、エンジンを脱着するためのエンジンハンガーや、エアーツール、そしてTOOL BOXの配置など全てにわたり新井さんが提案。
実際にオートバイの整備をする新井さんならではといった工夫が、メカニックの働きやすい環境を創造した。
KTM 杉並には沢山の面白いアイデアが満載だが、その中の一つが建物の柱を利用した、黒板ペイントやマグネットペイントだ。
コレもメカニックの作業効率アップに役立っている。そしてプロショップの特徴として、専用ツールが壁一面に配置される。
余談だが、この工具は一般には販売されていないらしく、KTMファンにとっては、ガレージに欲しいアイテムナンバーワンに違いない。
オープンして間もないころに撮影に伺わせていただいたが、KTM の世界観溢れる店舗で整備を待つ時間はユーザーには至福の時間であろう。
プロショップのピットやバックヤードは、なかなか拝見することができないため、貴重な取材となった。
KTM ユーザーにはレイアウトや色のバランス、設備など自身のガレージ建築のバイブルとなるだろう。
【写真20枚】KTMショップガレージのディテールGARAGE OWNER’S CHECK■一番気にいっているところは?
防音の目的で導入したEG WAYOUT。じつはオートバイのメンテナンスをするときの排気ガスを排出できるため、メカニックの体にもいいことが判明し非常に役立っています。
COMMENT FROM A BUILDER㈱新井電機商会 新井久司さん
今回はバイクのご縁があり、店舗設計を担当させていただきました。昔から知っている仲もあり、細かい要望に応えることができました。今後、ガレージについてお手伝いできることがあれば設計をお手伝いさせていただきます。お気軽にお問合せください。
取材協力:KTM 杉並
住所:東京都杉並区久我山3-8-7 マーベラス久我山1F
TEL:03-5942-8193
取材協力:SAFTY LIFE
Garage Life vol.86