MOBILITY

2021.02.26

「コーヒー」と「ガレージ」と「ミニ」! 「焙煎工房」に趣味の空間を併設した「ガレージハウス」を拝見!【ガレージライフ】

1964年式、オースチン・ミニ・クーパー 998が収まるガレージ。

自宅、工房、趣味のクルマを収めたガレージ……3ヶ所に分かれた生活と趣味の拠点をひとつにまとめたい。

そんな思いからはじまったガレージハウス作りは、理想の形で実を結んだ。

ここで紹介するのは、札幌市手稲区、JRの車両基地近くに自家焙煎のコーヒー豆を扱う『自家焙煎工房・珈豆(カトウ)』のショップ併設型のガレージハウスだ。

オーナーの加藤さんはコーヒー一筋45年以上という方。

もともとはコーヒーショップでコーヒーを入れお客さんに飲んでもらうのが仕事だったが、おいしいコーヒーにこだわるうち、納得のいく味と香りを出すには、豆を焼くところから始めなくては……と考え、2000年に自家焙煎工房を興すに至った。

【写真17枚】素敵すぎる「焙煎工房」併設ガレージハウスを拝見!

英国車にこだわるエンスー!

以前は新発寒に位置していた『珈豆』。

喫茶店としての営業は行わないが、実際に味と香りを確認してコーヒー豆を購入してもらえるよう試飲カウンターを用意するなど、加藤さんのコーヒーに対する思いを形にした店だった。

飲食店などの業務用に加え、個人のお客さんへの小売もその数を順調に伸ばしていったという。

そんな加藤さんは英国車にこだわるクルマエンスーのひとりでもある。

「最初に手に入れたのはブラックバンパーのMG-Bで1983年に購入しました。このクルマは95年に知人からMG-BのMk-1を譲ってもらうまで乗っていました」

ガレージにはもう1台、愛らしい住人オースチン・ミニ・クーパー998もいる。

「ミニクーパーは憧れの1台だったんです。あれは92年でしたか……お子さんの成長で乗り換えを迫られ、手放す方がいるというので譲ってもらうことにしたんです」

住宅、焙煎工房、ガレージを一つにしたい!

仕事で使うクルマに加え、趣味のクルマが2台。

冬は積雪がある札幌だけに屋根つきのガレージを借りるなどして対応してきたが、自宅、工房、ガレージと、生活の拠点が3ヵ所に別れていることに不便を感じるようになっていく。

「自宅の老朽化が進んでいたこと、工房が借家でテナント料が発生すること、ガレージも借用で駐車代がかかるので、全てを1ヵ所にまとめたいという思いが強くなっていきました」

その後、いくつかの土地や物件を見て回った加藤さん。

コーヒー焙煎時の排気を考えると住宅密集地での実現は難しく、場所選びに苦労することになったが、周辺に車両基地や木工場などがある現在の土地が見つかった。

一方の建物は、当初は住宅+工房、ガレージに分けて考えていたという。

「クルマ趣味の知人と話すうち、ガレージを作るなら、知っているデザイナーがいるから相談してみたら? と、『メタルクラフト・プラス』の伊藤さんを紹介されました」

「ガレージ建設の相談で伊藤さんや社長の浪内さんに話を聞いたら、ガレージだけでなく住宅の設計施工も扱っているということが解り、住宅+工房+ガレージを一体化した建物でプランを進めることになったんです」

昔からあるような建物に!

加藤さんの希望は、建物全体はイギリス風で新築感をあまり出さず昔から建っていたようなイメージの建物。

また、夫婦2人暮らしなので高齢になった際のことを考え平屋に。

そのほか、焙煎工房は機材やカウンターの位置、間隔を以前の工房とぴたりと合わせ、使い勝手が変わらないように、また将来ガレージに転用できる造りに。

さらには、ガレージの扉はシャッターではなく木製に……などなど。

伊藤さんはそうした希望に添いつつ、新たな提案をプラス。

南側にマンションがあり日当たりがのぞめないため、日中でも陽が入るよう屋根に棟屋を加えたり、金属加工も行える会社の特性を活かし、煙突やガレージ扉の金具など、ワンオフパーツを作製するなどして、理想のガレージハウス+工房へとまとめ上げていった。

「お客さんはクルマ好きの人も多いんですよ」という加藤さん。コーヒーの香りが漂う小さな洒落たガレージを、あなたも一度訪問してみてはいかがだろう……。

【写真17枚】素敵すぎる「焙煎工房」併設ガレージハウスを拝見!

ガレージオーナーに聞きました!


▶ガレージのここがお気に入り

希望通りに仕上がったガレージ。明り取り窓から入る光が、ボンネットに反射してレーシングストライプ風に見える演出もお気に入りです。工房の壁や天井同様に、今後自らの手で最終仕上げを行っていきたいと思っています。

▶ちょっと失敗

3ヶ所に分かれていた荷物を集めてみたら、想像していたよりもずっと多かった。かなり処分したがそれでも収納不足気味。


▶読者へアドバイス

ガレージ内でクルマいじりを楽しむ方は、換気と照明にも配慮した方が良いでしょう。雰囲気重視でダウンライトを多くすると、実際の作業には暗くて困ると思います。当初からムード+実用で設計することをおすすめします。

 

建築家に聞きました!


有限会社メタルクラフト・プラス

浪内敏彦さん 伊藤宏行さん

 
手稲山の裾野にひっそりと、しかし工房として存在感のある建物を追求しました。

中でもクルマ好きの友人が加藤様の珈琲を飲みに集い、大開口の折戸越しに自慢の愛車を眺めながら、夏にはオープンテラスにもなる。

また、車仲間と会話しながら、パーティーなどができるようなスペースもミックス。

ガレージ、住宅、工房の3種類を外壁の違いでそれぞれの空間が主張する箱の組み合わせとして加藤様にはご提案させていただきました。

 
有限会社メタルクラフト・プラス

北海道札幌市北区新琴似10条4丁目10-1

text & photo/Masato-HARA(原 将人)

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