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2021.03.15

「大幅値下げ! 」中国・上海製「テスラ・モデル3」に試乗! 1泊2日で「バッテリー」や変更点をチェック! 【Eマガジン】

「テスラ ギガファクトリー上海製」のモデル3 パフォーマンス。

電気自動車ブランド、テスラのミッドサイズセダン「モデル 3 」の価格が大幅に引き下げられて話題となっている。

ロングレンジAWDというグレードでは、何と156万2000円の大幅値下げとなったが、その理由は、テスラがアジア向けモデル3の生産を、アメリカのフリーモントから、中国・上海に建設した「テスラ ギガファクトリー上海」に移したことが原因である。

これにより、輸送コストを改善したことや、販売台数の大幅な増加による一台あたりの製造コストが下がったことに加え、サプライヤーの努力と効率化も値下げに貢献しているのだそうだ。

中でも、搭載バッテリーをパナソニック製のニッケル・コバルト電池から、CATL製のコバルトを含まず安価に製造できるリン酸鉄リチウムイオン電池や、LG化学製電池に変更したことがコストダウンの大きな理由なのだとか。

このニュースの後、テスラジャパンにはモデル3の注文が殺到し、納期がそれまでの8週間から12-16週間に。

環境省のゼロカーボンライフ補助金が最大80万円使えることや、東京都ではEV補助金が30万円から60万円に倍増することなどから、EV、中でもテスラ・モデル3購入に追い風が吹いているのだ。

【写真23枚】中国・上海製「テスラ・モデル3」のディテールを見る!

上海在住オーナーのYouTube投稿が波紋

ただ、この値下げニュースの際にSNSで話題となったのが、上海在住のモデル3のオーナーによるYouTube投稿。

モデル3 スタンダードレンジプラスの購入レポートなのだが、夜間に停車しているだけで翌日、バッテリーの残量が大幅に減少しているという動画を紹介しているのである。

動画によると、テスラ上海の回答は「バッテリーではなくプログラムの問題で調査中」とのことだが、そんな折に「テスラ ギガファクトリー上海製」のモデル3が日本に到着したということで、試乗させていただく機会を得た。

0-100加速3.3秒のパフォーマンスに試乗

試乗したのは前後にモーターを搭載したデュアルモーターで、0-100加速3.3秒、航続距離567kmを誇る最上級モデル「パフォーマンス」だ。

本当は日本で82万円値下げされた、ベーシックグレードのスタンダードレンジプラスを一泊二日でお借りし、バッテリーの減り具合を含めてレポートしたかったのだが、ギガファクトリー上海製の新型モデル3がどう進化しているのか? という意味ではこのグレードでもお伝えすることができると思っている。

このパフォーマンスというグレードは、今回唯一値下げをしなかったモデルで、お値段は717万3,000 円(消費税込)というもの。

ちなみに今回の価格変更で、スタンダードレンジ プラスは511万 円(消費税込)が429万円(消費税込)と82万円ダウン。

ロングレンジAWDは、655万2000 円(消費税込)→ 499万円(消費税込)と156万2000円のダウンである。

2年間でモデル3は結構進化していた!



2年前に輸入されたばかりのモデル3に試乗させていただいたことがあったが、現在のモデル3では細かい点がいくつか改善されているとのこと。

試乗前にアメリカ製のモデル3を所有するオーナーに、ギガファクトリー上海製のモデル3とは何が一番違うのかを率直に聞いてみたところ、ボディのチリがとても綺麗になっているとのこと。

テスラ車では当初、ボディパネルの隙間が左右で違うということがあり、私もそれは確認したことがあるが、今回試乗させていただいたモデル3は、それがなく確かに綺麗であった(当たり前といえば当たり前だが)。

パッと見はヘッドライト内部、LEDの変更や、クローム部分のブラックアウト化、パフォーマンスモデルに新しく採用された20インチホイールのデザイン変更(イーロン・マスク氏による、モデル3発表時に装着されていたホイールとのこと)がわかりやすいが、これだけでも新しくなった印象はある。

逆に変わりすぎても、既存のモデル3オーナーにとっては面白くないので、そのあたりはテスラのうまいところなのだろう。

そのほか、注目したいのはヒートポンプ式エアコンの搭載。

これは空気中にある熱を利用することで冷暖房効率を高めるというもので、今までの物よりも電力を使わずにすむとのこと。

そのほか、ガラスの遮音性を高めるためのペアガラス化。

パワードトランク化や、トランクへの雨水侵入を防ぐウェザーストリップの追加(これによりそれまで開閉時に入っていた!? 雨水がトランクに入らない)。

寒冷地での充電プラグ凍結に対応したトランク内のリリースハンドル追加。

室内で大きな進化は、非接触型のスマホ充電スペースの設置。

そのほか、ドア内張りデザインの変更やサンバイザー取り外し部分のマグネット化、USBソケットのタイプC化など、ディテールがアップグレードされていた。

ソフト面での進化は毎週のようにアップグレードされているので、そのあたりはモデル3オーナー氏によるブログやYouTubeに色々アップされているので確認していただくと良いだろう。

通常のメーカーであれば、新車を生産、販売したあと、モデルイヤーごとに不具合を改善していくのが一般的だが、テスラの場合はオーナーから指摘された不具合などをそのつど改善し進化していく。

そして、そのことは特にアナウンスがされるわけでもなく、シレッとアップデートされるパターンが多いというのも何とも面白い。

お借りした試乗車の気になるバッテリーについては、どのメーカー製の電池が搭載されているかは公表されていないということ。

ちなみに、自宅でモデル3を一晩預かったが、翌朝の電池の減りは1%だったので、先に紹介した動画のようなことはなかった。

値下げも値上げもあるテスラ

今回、日本では値下げが発表されたモデル3だが、アメリカではその数日後にモデル3とモデルYのスタンダードモデルの値上げが発表されている。

イーロン・マスクは価格をどんどん下げていくという方針を示しているものの、テスラ車は価格についても流動的なのだ。

本国の意向で価格の値上げがあるかもしれず「テスラは欲しいと思ったときが買うタイミング」というセールストークはあながち間違いではないかもしれない。

さて、約2年前にモデル3が発売されてからというもの、日本でもさまざまなEVが発売されたが、改めてモデル3に乗ってみると、無駄なものを削ぎ落としたシンプルな内装、奇を衒っているわけではないが、ひと目でテスラと分かるデザインなど、今見てもかなり独創的である。

中国・上海製が心配という声もあるが、私たちの使っているスマホや家電、アパレルも中国製が生活に浸透していることは事実。

試乗してみると、この乗り物がアメリカ製なのか、中国・上海製なのかはそれほど重要でないように思える。

気になったのは、試乗したモデルがパフォーマンスということで、20インチタイヤが私にはゴツゴツしすぎかなと思ったくらい。

後で確認したところによると、ホイールサイズのほか、サスペンションも他グレードと異なるため、加速時のトラクションを優先している可能性があるとのことだ。

モデル3のパフォーマンスグレードは、見た目が街に溶け込む4ドアセダンだが、0-100m加速が3.3秒のスーパーカーでもあるということを忘れてはならないのであった。

【写真23枚】中国・上海製「テスラ・モデル3」のディテールを見る!

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