MOBILITY

2021.03.19

「R32 GT-R」発売直前! 欧州で活躍した「スカイラインGTS-R(ETC仕様)」を再現! 【モデルカーズ】

日産スカイラインGTS-R(ETC仕様) ◉ハセガワ1/24改造 ◉作例制作:飯塚健一

1987年のインターTECで全日本ツーリングカー選手権にデビューしたスカイラインGTS-R。

翌’88年には国内レースと並行して欧州ツーリングカー選手権(ETC)にも参戦することとなった。

それは、同年イギリスにNISMOの子会社であるニッサン・モータースポーツ・ヨーロッパ(NME)を設立しての、完全なワークス体制での参戦であり、おそらくは、翌年の1989年にデビューが予定されていたR32型GT-Rの開発へのフィードバックも念頭に置いた、試練の海外留学だったのだろう。

車体は赤/白/青の伝統的なニッサン・トリコロールに彩られ、大口なスポンサーロゴも存在しないその姿は、全日本選手権(JTC)参戦車両とはまた違った、シンプルなカッコ良さが魅力でもあった。

A・グライス(オーストラリア)/W・パーシー(イギリス)のドライブにより、当時ツーリングカーレースを席巻していたフォード・シエラ・コスワースやBMW M3のワークスカーと互角な戦いを繰り広げ、さらにスパ・フランコルシャン24時間においても、日本でも活躍していたA・オロフソン(スウェーデン)も加えた3名体制で、見事6位完走を果たしている。

残念ながらGTS-RでのETC参戦はこの1年限りだが、その後長らく保管されてきた同車両は、2017年に日産社内の有志で構成される名車再生クラブの手で、美しくレストアされた。

【写真16枚】必見のディテール! GTS-Rの作例を見る

2017年にレストアされた一台!

この実車は前述スパ24時間出場時の仕様で、シーズン中の改良でヘッドライトは非プロジェクターとなり、テールレンズも前期型に変更されている。その理由は定かでないが、やはりGTS-Rといえば、少なくともプロジェクターヘッドライトが“雰囲気”だ。

そんな個人的嗜好から、今回はデビュー戦ドニントンパーク仕様で制作した。

スパ仕様よりデカール調達の目途が立ち易いという理由もある。

資料が少ない同車だが、幸運にも2017年ニスモフェスティバル直前のテスト走行を見学する機会に恵まれ、その際に車両の詳細を確認できた。

そのタイミングではボディが塗り上がったばかりでデカール類は一切なかったが、逆にこれから行われるであろう1/1のデカール貼り作業にも思いを馳せ、モデラー心が揺さぶられたのを覚えている。

ハセガワのキットで再現!

デフォルメを排したハセガワのキットは癖のないボディラインが魅力だ。

スジボリを彫り増した以外大きく手は加えていない。ただしETC仕様はほぼ全戦にわたってなぜか前期グリルが装着されているので、自作改造にて対処した(前期型のキットから移植も可能)。

詳細はキャプションをご覧頂きたいが、今回の作例で一番苦労したのは車高の調整作業である。

レーシングカーの佇まいを表現するに当たり、車高は非常に重要な役割を果たすと思うのだが、キットのまま制作すると車高が高い感じを受けた。

足周りのパーツなどはレース用の専用部品に差し替えられているのだが、それでもまだ高い印象なので更に切り詰めることとなり、最終的に、タイヤに当たってしまうインナーフェンダーも切除した上で、思い描く車高になんとか落ち着いた。

他にもレース用の様々な装備を取り付けるための細かな孔開け指示が多数存在したりと、ビギナーが手軽にカッコいいGTS-Rレーシングカーを手にしたいという場合には、色々とハードルが高いかもしれない。

とは言っても、今ではすっかりヒストリックカーモデルのイメージが定着したハセガワ。

新製品のR32GT-Rや70系スープラなどで、今後も我々を楽しませてくれることは間違いなさそうだ。 (飯塚健一)


modelcars vol.297 「スカイラインモデリング2021」にて製作手順、更なるディテールを紹介

写真:服部佳弘

RECOMMENDED


RELATED

RANKING