MOBILITY

2021.06.03

何と! 「リビング」に「クルマ」が!?「AMG GTS」と「911カレラS」が主役の「ガレージハウス」を拝見!【ガレージライフ】

愛車のための「ガレージ」ではなく、愛車のための「家」。

住人は人ではなく、まさしく愛車。

そんな主客転倒の夢のようなガレージハウスが完成した。

クルマ好きの究極の願望は、「ガレージに住まうこと」かもしれない。

「雨露をしのぐことができるガレージに、人が住むというスタイルが理想」

取材の現場ではそうした要望をよく聞く。

今回、ザウスがプロデュースしたガレージハウスは、まさに「ガレージに住まう」ことを具現化したものだ。

ただし、そこはラグジュアリーなスタイルを得意とするザウスだけあって、プレミアムな空間という付加価値がプラスされている。

【写真16枚】リビングガレージにAMGと911が収まる様子!

リゾートホテルのような非日常

施主のT氏は、かねてから愛車を保管する広いガレージが欲しいと思っていたそうだ。

そんな折、自宅裏の区画が売りに出されたこともあり、まずは土地を購入。

そして以前から気になっていたザウスに相談に出掛けたという。

ザウスより紹介されたのは、建築家の角 直弘氏。

氏のことは、ガレージライフ誌でその作品を見て知っていたこともあり、最初の打ち合わせ後、すべて角氏にお任せしようということになったそうだ。

T氏がガレージハウスに求めていたのは、非常にシンプル。

「クルマが居心地よく収まっている」という、たった1点だ。

さらに、T夫人の要望を付け加えておくと「リゾートホテルのような非日常感」。

竣工したあと、夫人も非常に気に入っているというので、両者の要望は見事に叶えられたわけだ。

主役はあくまでクルマ!


ご覧のガレージハウスが成功した最大の理由は、T氏の当初からの要望がブレることなく貫かれたことだろう。

愛車をゆっくり、しかも最高のアングルで眺めることができる空間を求めていたT氏。

主役はあくまでもクルマなので、クルマの入庫やドアの開閉のしやすさなどが優先され、人の住みやすさや生活動線などは二の次と割り切られている。

だからこそ、寝室、浴室、キッチンのどこからでもクルマを愛でることができる大胆な間取りが現実のものとなった。

クルマを停めるエリアも、リビングと同じフローリングが敷かれ、ガレージというよりも、家の中にクルマが置かれたと表現した方がしっくりくる。

そのクルマの向こうには、嵌め込まれたガラス越しに庭を眺められるという、なんとも贅沢な空間が広がっている。

また、塀で囲まれているため、外部からの視線は遮断され、プライバシーも保たれている。

T氏は、仕事を終えて帰宅したあとや週末にこのガレージハウスで過ごすことが多いという。

どれほど疲れていても、2台の愛車を眺めるだけで気持ちの切り替えができ、新たな夢を考える余裕ができるそうだ。

T氏にとってはこのガレージハウスは、いわばリフレッシュするための別荘のようなもの。それも自宅の裏にあるという、なんとも羨ましい別荘だ。

【写真16枚】贅の極み! 寝室、浴室、キッチン、どこからでもクルマが眺められる愛車のための空間。



Owner’s Check

・我が家のここがお気に入り

クルマのための家ということで、人が合わせるというスタンスを取っています。庭をバックに眺めるクルマは美術館に飾られたオブジェのようで大変気に入っています。

・失敗したと思う点

いまとなってはそれも楽しみのひとつとなっているのですが、これだけ窓が大きいと、窓掃除が大変です。

・読者へのアドバイス

こちらの意図を汲んでくれる設計士の方との出会いが、最も大切だと思います。その点、ザウスに最初に相談したのは正解でした。


Comment from an Architect:株式会社 一級建築士事務所 設計組織DNA 角 直弘さん

依頼内容は終始一貫していて、人のための家ではないということ。
人が住むのではなく、クルマが気持ち良く、かつクルマ自身が美しく見える空間をつくってほしいということ。
特に「人は建物に合わせるから……」という言葉が印象的でした。

ご希望は、

①どの場所にいてもクルマが眺められること
②クルマが主役となるショールームのような空間でありつつ、リゾートホテルのような非日常を味わえる空間であることの2点でした。

そこで、ギャラリーのようなガレージスペースで、庭と一体になったクルマがアート作品のように見えるように設計しました。

その結果が、庭、クルマ、居住の場所を平行に並べた空間構成になりました。

その3つの場所をいかに心理的にも物理的にも近いものとするかが課題でした。

建具をフルオープンにして、クルマと人の距離を縮めること、クルマの居場所についてもフローリング貼とし、人の居場所との連続性を高めています。庭との距離を縮めるために巨大なfixガラスを採用していますが、木造でありながら柱も入れずに10m強のスパンを可能にするような構造設計をしているところが、設計上の大きなヤマ場でした。

明確な「クルマノイエ」というコンセプト。

文字通り主客転倒。主体はクルマであり、施主自身は客体であることを最後まで貫いていただけたことが忘れられません。

また、ご夫婦から好みをヒアリングし、インテリアも合わせて提案させていただきました。

こんなに好みが一致しているご夫婦は珍しく、こちらも楽しく選ばせていただきました。


Comment from a Producer:ザウス株式会社 藤原 真さん

ご自宅裏の別宅で、愛車のある非日常を求められていました。

そこで「住む」と「非日常」のバランスをデザインで取ることのできる角さんをご紹介しました。

Tさんのクルマを最優先にされる態度は一貫されていて、クルマのことを考えて設計する角さんにデザインをお任せされたのは嬉しかったですね。

ザウスとしては、建築家が提案することを採用することでメンテナンスや経年変化等で生じることをお伝えし、デザインに影響しない範囲でのコストダウンを図りました。

Tさんのクルマに対する想いと角さんのデザイン力が見事にかみ合ったガレージハウスをプロデュースできました。



Planning Data

施主:T氏
家族:夫婦
所在地:大阪府
竣工:2018年3月
敷地面積:238.7㎡
建築面積:119.3㎡
延床面積:119.3㎡
ガレージ部面積:46.4㎡
構造:木造平屋
外装仕上げ:ガルバリウム鋼板平葺き
内装仕上げ:壁・天井/クロス貼り、
床/無垢ブラックウォールナット フローリング

愛車:メルセデスAMG GT S、
ポルシェ911カレラS

設計:角 直弘

施工:株式会社山本安工務店

プロデュース:ザウス株式会社
0120-360-354(大阪店)

取材協力/ザウス株式会社
https://www.zaus-co.com


ガレージのある家 vol.41

photo / Eiji TOMITA(冨田英次)  text / Yoshihiko NISHIYAMA(西山嘉彦)

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