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2021.09.15

「ねこ」の居心地を研究! 「CAIT SITH」に学ぶ「ねこと住む」工夫あれこれ

クラウドファンディングの支援により誕生した譲渡型猫カフェ「CAIT SITH」は2020年4月横浜にオープンしました。

“人も猫も快適に過ごせる空間”をテーマに多くの気持ちが集まった空間「CAIT SITH」。店名はアイルランド民話に由来し、日本語に訳すと「CAIT」= ねこ、「SITH」= 妖精の意味とのことです。

人とねこの新しい出会いと安らぎの場として注目されていますが、室内にはねこ達がありのままで過ごす工夫がなされ、ペットとの住まい作りにも大変参考になります。

ねこが人間に寄ってくる空間づくり



クラウドファンディング『 奄美大島の猫を殺処分から救う為の猫カフェ設立 』の支援で誕生した『CAIT SITH』。ここにいるねこたちの多くは奄美大島で捕獲されたねこです。

「猫カフェは現代の都市部において人とねこが共有する、どちらにとっても快適な空間であるべきだ」と考えているのはこのカフェを運営する服部由佳さん。

コンセプトは人間がねこに近寄るのではなく『ねこが人間に寄ってくる空間づくり』です。

店内設計に関しては、ペットと人との共有空間づくりに関するノウハウと知識をもつ『かねまき・こくぼ空間工房』の金巻とも子先生、資材に関しては大建工業さんに協力を頂き、オープンされたとか。

何よりも重視したのは、譲渡促進を進めるため、ねこたちが会いに来てくれた人に、『安心して自然体で近寄れる』ことだったそうです。

猫カフェ嫌い!? の建築家のこだわりとは!



設計した金巻さんに『CAIT SITH』についてお話を伺いました。

「実は、私あまり猫カフェが好きではありません。それは、ねこたちにどれだけ負担かかるかをわかっていたからです。しかし、ここはねこが(人が)家族を探す場所、ねこたちの様子を里親希望者によく見てもらう場所です」

「ねこが『緊張していない本来の状況である』ことがとても重要で、ねこたちにも人を好きになってもらわないといけません。見知らぬ人がねこたちのテリトリー内に立ち入ってきて、『不安にさせない』『人を警戒させない』ということはもちろんですが、安心してゆっくり人を観察し『人って面白い、素敵!』と思える状態にすることを具現化していきました」

「ねこの動線は、空間の中心に人を置くようにし、その周囲をねこがほんの少し離れて眺めるように。そして、ねこの気持ちが定まれば、ねこから人に安心して近寄れる“高さと位置”にしました。柱の周りのテーブルは“ねこ寄りテーブル”として設定してあります」

「人が本を読んだりしていると、ねこがその様子を見に来ます。少し人より目線が高い場所に“立ち止まりポイント”を設定。目の前までねこが来ますが、ねこが人の目線の高さに来たら、存分に臭いを嗅がせたりコミュニケーションをとらせてあげることができます。またねこが高所での活動になるので、歩行性の良さと滑りにくい通路をプラスしました」

「ちなみに、人にも思いっきり遊んでもらうために、床もねこが滑りにくい床にしました。跳んだり跳ねたりすると、普通の床では滑ってしまい体に負担がかかり、ねこの『遊ぶ』テンションが急激に落ちてしまうからです」

こっそり体重計もセット



「またねこ同士の関係も考え、通路上では、お互いに路を譲り合えるわかれ道や、上手にすれ違えるような踊り場などを通路上の各所に設けています。

大きいポイントは、“ねこシェルフと“猫見天井”です。“ねこシェルフ”は、正面にある棚ですのことで、棚でありながら、ねこの低い位置の通路となるように工夫したアイテムとなっています」

「ものを収納もしながら、ねこも通路利用でき、扉部分は“隠れ家”となります。この“隠れ家”は、新しく来た人を低い場所からでもしっかり近寄り確認できるようにと、カフェ中央の席に人が座ったとき、顔の高さになるように設計しました。“隠れ家”はベッド”としても利用できます。ここには、フカフカベッドの下にこっそり体重計をセットしておくことをお勧めしています」

「猫見天井”はカフェ内の空間上に配置。少し奥まった位置ですが、ここは比較的広く使える高い場所の“広場”でエレベーターがよく見えます。また数匹がここでくつろげ、安全な場所からソファー席でゆったり座る人をねこたちが覗む場所でもあります」

「そこに座る人たちをゆっくり観察し、『親しくなりたい』と感じたら、降りてくるよう通路が設定してあります」

さまざまな工夫が随所にされ、ねこの居心地を追求した『CAIT SITH』。ねことの心地よく住みたいと考えているみなさん、是非、訪れてみてはいかがでしょうか?


取材協力:譲渡型猫カフェ CAIT SITH(ケット・シー)

https://caitsith22.com

 

写真:服部佳弘 文:伊藤努

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